ヒアルロン酸注入は法令線、たるみなどの改善で注入を行いますが、皮膚、皮下など注入する層によって目的が異なります。そこで、よりヒアルロン酸の効果をしるために、皮膚の構造を知っておきましょう!

皮膚の構造

皮膚は表面から表皮、真皮、そして皮下組織があり、その下層に筋層、骨となります。まずは表皮層から!

表皮は最外層から角質層・(透明層(掌、足底のみ))・顆粒層・有棘層・基底層とあり、お顔であれば全部で約0.2mmの厚さです。95%は角化細胞で占められており、その他メラノサイト(メラニン産生細胞)、ランゲルハンス細胞、メルケル細胞、α樹状細胞が存在します。角化細胞は表皮の最下層である基底層で分裂、成熟しながら上層へ移行し、最終的に角質⇒垢になって脱落します。これがいわゆる『ターンオーバー(約28日)』です。年齢と伴にターンオーバーの時間は伸び、さらに角質がはがれにくく、いわゆる『くすみ』の原因となります。実はターンオーバーをスムーズにし、潤滑油の役割を担っているのが保湿成分のヒアルロン酸と言われています。ターンオーバーがスムーズにいかないと健康な表皮層が作れず乾燥肌へ傾きやすいことが考えられます。だから皮膚表層にもヒアルロン酸は保湿として、潤滑油として必要になるのです。表層に入れたヒアルロン酸ほど、その効果を後押しすると言えるでしょう。

ちなみに、表皮において一番重要なのが角質層です。過去には『死んだ皮膚』と言われ、必要ないものとみなされていました。しかし皮膚の研究が進むと、実は保湿成分が多く含まれるのはこの角質層だったということが明らかになりました。ちなみに全身の角質がないと人間は生きていけません。この角質層はわずか0.02mmという層ですが、皮膚にとって、人間にとって重要な組織なのです。その角質層はその下層にある顆粒層から生じ、顆粒細胞内にある顆粒の働きで角質細胞と天然保湿因子(NMF)、細胞間脂質など保湿成分が産生されます。つまり、潤いのある、透明感のある肌を作るにはこの基底層から始まる表皮全体のケアが必要になっていきます。特に各層を含めた表皮では“保湿”ということが重要視されます。よく、保湿は化粧水を多く取り込むことで解消するというお話しを聞きますが、実はそれだけでは正確な保湿ケアになりません。水分を保持するには?と考えたときにその水分を保つための皮膚構造がしっかりしていないと、いくら水分を入れたところですぐに乾燥へ傾いてしまいます。本来人間がもっている保湿機能は①細胞間脂質②天然保湿因子(NMF)③皮脂です。特に細胞間脂質は重要で、とりわけセラミドはその50%を担っています。細胞間脂質はセラミド、遊離脂肪酸、コレステロールなどがありますが、前述のとおり、これらは表皮細胞である顆粒細胞から作られます。つまり健康な細胞でなければ、状態の良い角質層は出来上がらないのです。それには、上述のとおり、ターンオーバーをスムーズにすることです。

ヒアルロン酸を表層に保とうとしても、高分子のヒアルロン酸はなかなか皮膚表層からスムーズに入りにくいのも事実です。そこでヒアルロン酸注入の中でも水光注射は有用な方法です。水光注射はヒアルロン酸やアミノ酸、ビタミンなど皮膚で使われる成分を細かく皮膚表層に注入する方法です。これもヒアルロン酸注入の一つの方法です。

次回は表皮の下層、真皮層とヒアルロン酸の関係をお話しします。

※神奈川県横浜市、桜木町駅前にあるテティス横濱美容皮膚科では、アラガン社専属・認定指導医によるヒアルロン酸注入施術です。(認定指導医とは、ヒアルロン酸注入、ボトックス注射の考え方、技術を医師に指導)。法令線、フェイスライン、口周りのたるみ、マリオネットラインなどお悩み、水光注射希望がありましたら、ぜひご相談ください。